10分でわかる世界史Bの流れ!ギリシャ文明(1)~3つのエーゲ文明~

現在、厳しい状況に置かれているギリシャ

ギリシャという国が現在、大変なことになっていますよね。ギリシャがデフォルトしそうになっています。

デフォルトとはわかりやすく言えば、国が借金を返せなくなってしまう状態です。

現在ではかなり厳しいギリシャですが、ギリシャはヨーロッパをローマとともに牽引した過去の偉大な文明です。

ゆえに今のヨーロッパの人たちの精神世界にはギリシャがかなり関わってきます。古代ローマ人から今のヨーロッパの人々まで、全ての文化の原点はギリシャ文明です。

エーゲ文明

エーゲ海ってどこにあるかわかりますか?

小アジア(現トルコ)とギリシャの間に海がエーゲ海です。

そしてそのエーゲ海近辺で前3000〜前1200年頃栄えた青銅器文明がエーゲ文明です。

その中でもクレタ文明ミケーネ文明という2つのエーゲ文明が有名ですね。

クレタ文明(クレタ人)

クレタ文明は前2000〜前1400年頃、クレタ島というエーゲ海に浮かぶ島で発達した文明です。

ちなみに彼らは線文字Aと線文字Bという絵文字を用いていました。

上のようなグニャグニャした絵文字が線文字Aで、こちらは未解読の文字になってます。

そしてクレタ島の中心地はクノッソス宮殿という宮殿です。

復元画像のように、この宮殿は城壁を持っていませんでした。
城壁を持っていないということは、外敵に対処しようという気力がない平和的な性格であったということです。

釣りやタコの絵を書きながら、のんびり暮らしていたことでしょう〜。

そんな性格なので、前1400年頃ミケーネ文明を建てたアカイア人に滅ぼされました。
ちょうどミケーネ地方から海でちょっと行ったところにクレタ島がありますから、城壁を持たない国なんてちょっと行って軽〜く滅ぼしたことでしょう笑

ミケーネ文明(アカイア人)

ミケーネ文明は前1600年〜前1200年頃、ギリシャ人の第一波アカイア人がペロポネソス半島のミケーネ地方に栄えさせました。

内部での抗争が前14c〜13c頃が最盛期であったのですが、小王国同士の小競り合いが多く、クレタ文明と違って巨大な城壁が建築されました。

上の画像がよく出てくるミケーネ文明の城壁です。端から見たらしょぼいですが、紀元前1000年以上前だと考えると十分凄いです。

そんなミケーネ文明はギリシャ人第二波、ドーリア人に滅ぼされたという説と、世界史上最強民族「海の民」に滅ぼされたという2つの説があります。まぁとにかく滅びます。

トロイヤ文明

もう一つトロイヤ文明も有名ですね。
トロイア戦争という伝説的な戦争はホメロスの英雄叙事詩「イリアス」「オデュッセイア」にも描かれています。

この2つの英雄叙事詩は多くの古代から現代までのギリシャ人に読まれた作品です。

海に生きるギリシャたちは、航海の途中に英雄叙事詩であるイリアスやオデュッセイアに心を踊らせたことでしょう(ホメロスは紀元前8c半ばの頃の人と言われています)

トロイの木馬というコンピュータウィルスを聞いたことがあるかと思います。これはトロイア戦争の際に、トロイアに攻め込んだギリシャが巨大な木馬の中に兵士を潜ませ、何も気づかないトロイア側が木馬を城内に戦利品として持ち込んだタイミングで、木馬の中から出てきて城内を掻き乱す作戦が由来となっています。

・・・ちなみに、ミケーネ文明が滅んだ後の前12c〜前8cの400年間、ギリシャに関する資料がほとんどなく暗黒時代と呼ばれています。

歴史学は資料がないと何も語れませんから、文字通り学ぶことができない暗黒時代です。よってこの時代の世界史も勉強する必要がないということ!ヤッタ−

その後の前8世紀頃からポリスを中心とした新しいギリシャの時代が始まります。

10分でわかる世界史Bの流れ!ギリシャ文明(2)〜ポリス(都市国家)の発展〜

2016.06.06